やまだ紫
結婚して10年、二人の娘を育てる主婦・山川ちはる。ごく普通の日常を送る彼女の胸には、ささやかな喜びと同時に、言いようのない孤独感が募っていく。夫との会話に感じる違和感、成長する子どもたちとの距離、そして家庭という場所の脆さ。平和に見える日々の中で、夫婦の絆や家族のあり方が少しずつ揺らぎ始める。ちはるは、自分自身の内面と向き合いながら、ひたむきに現実を生きていく。女性の繊細な心情と家庭の機微を鋭い感性で描き出す、深く心に響く人間ドラマだ。