藤原薫
連鎖する記憶と交差する物語が織りなす、藤原薫の初期傑作「思考少年」。ある少年が見た出来事は、助かる方法を探す彼の思考の上映だったという。鏡に映る自分がまるで別人に見えたり、初めての行動なのに既視感を覚えたり。日常に潜む小さな違和感が、やがて大きな謎へと繋がっていく。環奈の記憶が呼び起こされ、蓮と野木、そして環奈の間に絡み合う運命とは一体何なのか。壊れそうなほどに美しく、哀しくも愛しい、独特な世界観が読者を深く引き込む、究極の心理ドラマだ。