田中相
雪深いりんごの国へ婿入りした雪之丞。親を知らず育った彼にとって、妻の朝日と北の家族との穏やかな日々は温かいものだった。しかしある冬、病に伏せる朝日のため雪之丞が禁断のりんごを与えたことで、村に古くから伝わる恐ろしい祭儀が蘇ってしまう。りんごを食べた朝日は髪や爪が伸び、幼子のように変化。土地の神「おぼすな様」の妻となる運命に囚われるのだ。愛する妻を救うため、雪之丞は神に戦いを挑むことを決意する。閉鎖的な村の因習と超自然的な存在が織りなす、切なくも美しい和製ファンタジーだ。