林 静一
漫画家を夢見るアニメーターの一郎と、彼を支える恋人・幸子。二人はしがないアニメーターとして働きながら、小さなアパートで慎ましくも先の見えない同棲生活を送っていた。お金もなく、将来の展望も見えない日々。一郎の漫画家への道は開けず、幸子は親から結婚を迫られる。特別な事件が起こるわけではない。ただ、傷つけ合い、仲直りし、出口の見えない状況の中で二人の切ない生活は続いていく。貧しさゆえに互いを求め、労り合うその姿は、まさに赤貧の悲歌。独特の前衛的なタッチで描かれる、刹那的で痛々しい青春群像劇だ。