波津彬子
日常のささやかな出来事の裏に、ふと顔を出す不思議な世界。波津彬子の描く物語は、いつもそんな魅惑的な入り口から読者を誘う。繊細な筆致で紡がれるのは、時に猫や植物が彩る、どこか懐かしく幻想的な短編の数々だ。科学では説明できないけれど、心にじんわりと染み渡る温かくて少し切ない「極上の不思議」が詰まっている。本作『波津彬子短編集 鸚鵡』もまた、現実と幻想の境界が曖昧になるような、珠玉の物語たちがあなたを待っているだろう。その唯一無二の作風に心ゆくまで浸ってほしい。