益田 ミリ
コロナ禍の大阪で、32歳の漫画家・ツユクサナツコはドーナツ店でアルバイトをしながら日々を過ごしている。社会の不平等にモヤモヤしたり、誰かの何気ない一言に心を揺さぶられたり。そんな日常で感じたことを、ナツコは自身の漫画に描いていく。作中には、ナツコが手がける「おはぎ屋 春子」という漫画が差し込まれ、現実と創作が交錯する不思議な構成だ。自分の「好き」を大切に生きるナツコの姿は、私たち自身の日常をそっと抱きしめたくなるような温かさで満たされている。益田ミリが贈る、人生の機微を丁寧にすくい取った珠玉の物語だ。