松本 大洋/ペドロサ・シリル
室町時代の種子島に、傷ついた赤髪の大男が流れ着いた。彼を浜辺で見つけた老いた元漁師の正兵衛は、村外れの家で介抱する。しかし村人たちは異人を警戒し、騒ぎ立てる。鉄砲伝来の地を舞台に、日本とポルトガル、二つの視点から物語が紡がれるのだ。松本大洋が描く日本側の物語と、シリル・ペドロサが描くポルトガル側の物語が、本の中心で交錯し、一つのエンディングへと向かう。時代の狭間に生きる人々の深く鮮やかな人間ドラマが、圧巻の筆致と色彩で描かれる意欲作だ。