江口 夏実
大学生の真木と八重子はある夜、空から降ってきた広辞苑にぶつかり大怪我をした男「モグラ」と出会う。彼は「あの世から出禁をくらっている」と語る奇妙な存在で、あの世へ帰るため幽霊が持つ「灯」を集めているという。この出会いを境に、真木と八重子には今まで見えなかった怪しいものが見えるようになり、モグラと共に現代の下町で次々と巻き起こる不可思議な事件に首を突っ込んでいく。日常のすぐ隣に潜む非日常を、時にコミカルに、時にゾッとさせる独特のタッチで描く、奇妙で魅力的な怪奇譚だ。