比嘉慂
太平洋戦争末期、沖縄の離島・前島に日本軍がやってきた。防衛を名目に森を伐採し、爆弾で魚を獲る彼らの行動は、島を破壊し、やがて敵の攻撃目標となる。日本の敗戦後も降伏を拒み、身内を傷つける「山の部隊」に、村長は命がけで説得を試みる。また、戦火の中、乳飲み子を抱え必死に子どもたちを守り抜いた一人の母親の物語も描かれる。沖縄出身の著者が、悲惨な戦場をたくましく生き抜いた人々の姿を独特のタッチで紡ぎ出す、心揺さぶる人間ドラマだ。