花輪和一の初期作品集は、彼のデビューから70年代半ばにかけての因業耽美路線を凝縮した異様な世界観が広がる。エログロナンセンスな作風で、人間の業や情念を深くえぐり出す猟奇的な物語が次々と展開されるのだ。緻密かつ過剰な描き込みで表現される醜悪な情景は、おぞましい恐怖と同時に、その狂気ゆえのユーモアすら感じさせる。救いのない因業話の裏に潜む、独特の読後感が忘れられない唯一無二の怪奇作品集である。