やまくじら
時は明治十九年、夏の盛り。子どもの鬼・寅輔は相棒の丑松とともに、寿命を終えた人間の魂を回収する日々を送っていた。人には見えないはずの彼らだったが、ある日、相馬という青年が寅輔に話しかけてくる。現世の人と関わることのなかった寅輔は、相馬から「お化け退治」を頼まれ、隠世と現世の境界を越えることになる。鬼と人間、異なる存在が出会い、互いの世界に触れることで、それぞれの命のあり方や絆が描かれていく。優しくも切ない、心温まる明治感動奇譚だ。