ジョージ 秋山
幕末の品川宿、問屋「夢屋」の主人・浮浪雲は、仕事そっちのけで酒と女に明け暮れる遊び人だ。しかし、その飄々とした姿の裏には深い人間性が隠され、駕籠かきたちからの信頼も厚い。動乱の時代を背景に、市井の人々のささやかな日常や人間模様をコミカルかつシリアスに描き出す。沖田総司や近藤勇といった幕末の偉人たちとの出会いも織り交ぜ、のらりくらりと生きる雲が、いつしか人々の心を動かしていく。これは、激動の時代を軽やかに生きる男の、心温まる人情譚である。