水木しげる
画家を夢見ていた青年アドルフ・ヒットラー。しかし夢破れ、浮浪者として日々を過ごす彼が、いかにしてドイツ国民を熱狂させる独裁者へと変貌していったのか。水木しげるは、善悪の判断を下さず、一人の人間としてのヒットラーの生涯を客観的かつ時にユーモラスに描き出す。第一次世界大戦を経て政治の舞台に足を踏み入れ、その類稀な演説力で民衆を掌握していく過程はまさに圧巻だ。しかしその先に待つのは、世界を巻き込む狂気と破滅の道だった。人間という存在の深淵を問いかける、異色の伝記劇画である。