冬虫 カイコ
「また明日」と笑顔で差し出された飴を、彼女はいつも吐き出す。親しい友人の間に潜む、小さな悪意や違和感。この街は生き物の腐った匂いがする――引っ越し先の漁師町になじめない少女の憂鬱。身体に鱗が生えた親友をプールで飼う夏休み。事故で死んだ友人と同居し、その朽ちゆく姿に安堵を覚える少女の心理。冬虫カイコが描くのは、日常に潜む非日常と、少女たちの危うい青春だ。透明感あふれる絵柄で紡がれる、そっけなくも残酷な物語に心揺さぶられるだろう。