ピエール手塚
裏社会の片隅で、人間たちの剥き出しの感情がぶつかり合う。九印連合直参五劫興行の会長代行・南方律は、男に尽くし続ける幸子の面倒を30年間も見続けてきた。これは歪んだ愛か、それとも深い絆か。澱んだ吹き溜まりで交錯する二人の関係は、まさにシスターフッドの極致だ。出会い系で知り合った女性の死の真相を追う元ホストの物語など、倫理の境界線を揺さぶるエモーショナルなドラマが次々と展開する。人間の業と情が渦巻く、骨太な人間ドラマがここにある。