中野 シズカ
「にわにはににん」は、優美でいてどこか危うい、不思議な“庭”を巡る珠玉の短編集だ。幾重にも重ねられたスクリーントーンが織りなすのは、ポップで幻想的な唯一無二の世界。手が届きそうで届かない、そんな魅惑的な場所で繰り広げられる物語たちは、読者を日常の裏側に潜むミステリアスな世界へと誘う。庭に隠された秘密、そこに現れる異質な存在、そして人々の心の機微。読むたびに新たな発見がある、静かで奥深い魅力に満ちた作品である。