須藤佑実
85歳の伊藤貴代子は認知症を患い、記憶が曖昧な日々を送っていた。そんな彼女のもとを、かつての恋人・園田ミツが訪ねてくる。二人は戦後の女学校時代、世間に許されない恋に落ち心中を図った仲だ。物語は現在から過去へと時間を遡り、二人の70年にわたる愛と人生を紐解いていく。心中未遂後も関係は続いたが、貴代子は28歳で見合い結婚を決意。傷つきながらもミツは貴代子に最後の旅行を提案する。時代に翻弄されながらも深く求め合う二人の女性の、切なくも美しい人生が描かれるドラマチックな一代記だ。