真柴真
大正末期の帝都に佇む喫茶「銀星館」。そこには人々の悪夢を喰らい、悩みを解決する「貘」の蛭孤がいた。夜な夜な悪夢に苛まれる人々が救いを求め訪れると、店主の霧霞が淹れた珈琲を片手に、蛭孤は彼らを夢の世界へと誘うのだ。なぜ人は悪夢を見るのか。夢に隠された依頼人の心の闇や思念を紐解き、事件の真相が明らかになっていく。明るくお調子者の一二三も加わり、銀星館の日常は賑やかだが、蛭孤自身の秘められた過去も少しずつ顔を覗かせる。夢と現が曖昧に交錯する、妖しくも美しい大正浪漫伝奇だ。