西尾 雄太
水と茶しか取り柄のない小さな町は、茶園側と水質汚染を訴える“そうでない側”に分かれ、激しく対立していた。そんな町で、敵対する家の娘である水野と茶山は、誰にも知られぬよう密かに逢瀬を重ねる。父親が“そうでない側”の先頭に立つ水野と、茶園のひとり娘でいじめに苦しむ茶山。声をかけあうことすら許されない二人は、秘密の時間を共有することで、互いへの想いを募らせていく。閉鎖的な町と家族のしがらみの中で、自分らしく生きる道を模索する少女たちの、ヒリヒリと切実なガールズラブ青春譜だ。