上田倫子
大正十年春、両親を失った一条まりあは、友人の家で危うく乱暴されそうになり家を飛び出した。行き倒れた先は、かつて住んでいた屋敷の前。そこで青年医師・藤堂聖に救われるが、屋敷が帝都マリア病院の医師寮になっていることを知る。父の遺した「藤堂にはめられた」という言葉を思い出したまりあは、真相を探るため身分を偽り女中として屋敷に潜り込むことを決意する。運命の歯車が回り始めるドラマチックな大正ロマンだ。陰謀と恋が交錯する、スリリングな展開に目が離せない。