藤原薫
「眠っている女しか抱けない」という秘密を抱える兄。そして、心臓を患いセックスを禁じられた妹。二人はどこか歪な関係を築きながら暮らしていた。そんな兄妹を静かに見つめるのは、兄の恋人だ。妹は毎夜、不可解な夢にうなされる。それは、死んだ自分を誰かが抱きしめるという悪夢で……。この夢が暗示するものは一体何なのか。三者三様の想いが絡み合い、その行く末は予測不能な方向へと進んでいく。鋭利で繊細、まるで硝子細工のような世界観に引き込まれる心理ドラマだ。