二階堂幸
初めてできた彼女との甘酸っぱい日々、憧れの先生への秘めた想い、友達のお母さんへの複雑な感情。この短編集は、誰かを「愛しはじめた」瞬間の輝きを切り取る。鬼が当たり前に暮らす世界で、人間と鬼の間に芽生える友情や、先生と生徒の間に揺れる感情など、日常に潜む少し不思議で温かい物語が紡がれていく。見慣れた景色が、愛によって鮮やかに色づく瞬間を描き出す珠玉のオムニバスだ。二階堂幸が贈る、繊細で美しい感情が胸に響く作品である。