遠田おと
唯一の肉親である父と共に狩猟をしたいと願う千秋。だが身体は女性、心は男性である千秋の性を父は理解できず、女性としての幸せを願うばかりだ。そんな中、父の余命が一年と告げられる。愛する父に自分を理解してほしいと願う千秋の苦悩が胸に迫るのだ。 表題作「にくをはぐ」をはじめ、異彩を放つ全5編を収録した短編集だ。 性別や家族の形、そして深い愛のあり方を問いかける、心揺さぶる人間ドラマがここにある。