夏見こま/標野凪
福岡薬院の裏通りにひっそりと佇む小さな料理店「文月」。そこは三日月から満月の夜だけ開く不思議な場所だ。仕事や恋愛に疲れ、人との繋がりを求める人々が終電前にふらりと立ち寄る。店主の文さんが作る季節の「ちょいごはん」は、訪れる客たちの心と体を優しく癒していく。美味しい料理と共に、それぞれの抱える悩みや日常が丁寧に描かれ、温かい交流が生まれる。疲れた夜にそっと寄り添い、じんわりと心に染み渡る、珠玉の人間ドラマが詰まったグルメ物語だ。