草原 うみ
かつて「天才少年」と呼ばれたピアニスト・奏。誰もがその未来を信じていたが、難病「局所性ジストニア」により右手が動かなくなり、彼は15歳でピアノと別離した。それから7年、音楽から遠ざかり空虚な日々を送る奏の前に、かつてのライバル・真琴が有名ピアニストとして現れる。最も会いたくて会いたくない相手との再会は、奏の心に消えないはずだった音楽への情熱を再び灯す。失われた右手の代わりに左手で、奏は「新しい音」を見つけ出すため、再びピアノと向き合うことを決意するのだ。喪失と再生を描く、心揺さぶる青春音楽物語である。