安達智
江戸最大の遊廓、新吉原。生者と死者の情念が渦巻くこの華やかな街で、売れっ子遊女のあおは、ある日見知らぬ神社に迷い込んでしまう。そこは浮世と冥土のはざまにある「鎮守の社」と呼ばれる場所だ。強く霊験のご利益を求める者だけが辿り着くというその社で、あおは宮司の楽丸と出会い、迷える魂を導く役目を担うことになる。社を訪れるのは、美しくも悲しい過去を背負った遊女ばかり。あおは彼女たちの人生に寄り添い、その魂を救うため奔走するのだ。華やかな吉原の裏に隠された人間ドラマが心を揺さぶる、切なくも温かい和風ファンタジーだ。