沙村 広明
極寒のロシア、1933年。ソビエト連邦カレリア自治共和国に、車椅子の少女ビエールカと物言わぬ従者シシェノークが現れた。彼らはとある別荘の管理人イリヤに奇妙な賭けを持ちかけるのだ。なぜこの地にたどり着いたのか、どこから来たのか、謎に包まれた二人は互いだけを信じ生きる。しかし秘密警察OGPUに捕らえられ、過酷な運命に巻き込まれていく。怪僧ラスプーチンなど実在の人物も登場し、激動の時代に隠された名家の喪失と奪還の物語が、緻密な筆致で描かれる戦慄の歴史ロマンだ。