兼宗/縹けいか
目が覚めると、そこは霧に包まれた古ぼけた館だった。記憶を失い、自分が何者かもわからない「あなた」を「旦那さま」と呼ぶのは、翡翠の瞳を持つ謎めいたメイド。彼女は「あなた」に、この館で幾度となく繰り返されてきた悲劇の物語を見せるという。扉の向こうで繰り広げられるのは、目を覆うような惨劇の数々。時代を超え、様々な人物の運命を辿る中で、「あなた」は自身の正体と、館に隠された呪われた真実を探し始める。美しくも残酷なゴシックミステリーが、今、静かに幕を開ける。