二階堂幸
ある雨の日、小説家の藤は道端で段ボールに入った不思議な動物と出会う。その動物はスケッチブックを使い「犬です」「飼いやすい」と猛アピール。どう見てもタヌキだが、藤は「君」と名付け一緒に暮らし始める。筆談で会話する君は、傘を差し出したり、藤の友達と交流したりと芸達者で愛らしい。周囲の人間は君をタヌキと疑うが、藤は「雑種犬」だと譲らない。そんな一人と一匹の、どこかおかしくて心温まる日常が描かれる。じんわりと心に染みる、たぶん仲良しなふたりの物語だ。