乙一/古屋兎丸
友達がいない。学校も家もつまらない。誰も自分を理解してくれない。そんな孤独や不安を抱えた少年少女たちは、現実から逃れるようにそれぞれの妄想世界へと深く沈んでいく。街が水没したり、お菓子帝国軍と戦ったり、竜巻に乗った王子様が迎えに来たりと、彼らの心が生み出す世界は奇妙で色鮮やかだ。だが、そのイタくて切ない妄想はやがて一つに繋がり、彼らの心を揺さぶる大きな物語が動き出す。これは、思春期の繊細な心を鮮烈に描いた、ちょっぴり痛くてひたむきな青春群像劇だ。