黒井 緑
老朽化した仮装巡洋艦ジャーヴィス・ベイが、船団を守るため強大な敵に立ち向かう孤軍奮闘の物語は、読む者の胸を熱くするだろう。本書は、そんな知られざる海の戦いを描く珠玉の短編集だ。条約型重巡の知られざるエピソード、第二次大戦末期の日本海での帝国海軍の死闘、ブルガリア海軍の勝利など、世界中の近代軍艦が織りなすドラマが満載である。歴史の波間に埋もれた艦艇たちの雄姿と、彼らが紡いだ熱き海戦の記録を、緻密な筆致で鮮やかに描き出す。これはまさに、海の男たちの魂が宿る歴史ロマンだ。