今日 マチ子
海辺の家で暮らす人懐っこい子猫のきなこと小学一年生のここな。ある日、突然の地震と津波、そして原発事故が彼らの日常を奪い去った。家族と離れ離れになり、故郷に取り残されたきなことここなは、家族の帰りを信じてひたすら「るすばん」を続けるのだ。失われたもの、そして変わらずそこにあるもの。猫の一生を通して震災後の世界を描き出す。故郷を失い別の場所で生きる少女・さきの願いも交錯し、それぞれの思いが時間と共に紡がれていく。優しくも胸に迫る今日マチ子ならではの表現で、震災の記憶と生命の尊さを静かに問いかけるヒューマンドラマだ。