藤原薫
ショーケースの人形に恋する青年、命を宿した人形と約束を交わす職人、魂の契約を交わしたバイオリン弾きの少年。藤原薫が紡ぎ出すのは、美しくも残酷な寓話の世界だ。日常に潜む不条理や、人間の心の奥底に触れるような、どこか憂鬱で幻想的な物語が次々と展開される。時に切なく、時に背筋が凍るような不思議な出来事が、繊細な筆致で描かれていく。読む者の心に深く問いかける、唯一無二の短編集だ。