酉村
「私は片思いで、それが苦しくて、その人を殺しちゃうんです」――そんな衝撃的な告白から物語は始まる。主人公カナエは、いつも同じ夢を見ていた。それは、想い人を殺してしまうという、残酷で陰鬱で凄惨な「夏の夢」だ。夢の中の彼女は猟奇的でありながら、どこか幸福そうな表情を浮かべている。現実と夢の境界が曖昧になる中で、カナエの心は次第に侵食されていく。この夢はただの悪夢なのか、それとも彼女の深層心理が映し出す真実なのか。甘くも恐ろしい片思いの行方を描く、戦慄のサイコホラーだ。