小椋アカネ
時は昭和の初め、戦争の影が忍び寄る日本。置屋の半玉・蝶々は、裏手に住む彫師の千夏に幼い頃から恋い焦がれていた。千夏は蝶々を子供扱いするばかりだが、彼女は刺青の代わりに絵を描いてもらう時間を何よりも大切にしていた。しかし、ある日フランス貴族の青年に身請けされてしまう。悲嘆に暮れる蝶々だが、意を決して千夏に蝶の刺青を依頼し、秘めた想いを告白。ついに千夏も蝶々への愛を自覚し、二人は共に暮らし始める。激動の時代を背景に、純粋な愛が織りなす切なくも美しいロマンスが幕を開ける。