京極夏彦/志水アキ
箱根の山奥深く、雪降る寺で修行僧の連続殺人が発生した。足跡もなく現れる死体、雪山を駆ける振り袖の童女。この世には不思議なことなど何もないと語る古書店主・中禅寺秋彦、通称「京極堂」が、この怪事件に挑む。しかし、僧侶たちはまるで檻に囚われたかのように寺から出ようとしない。言葉を否定する禅寺を舞台に、言葉を操る京極堂の「憑物落とし」は通用するのか。閉ざされた空間で起こる不可解な事件は、読者を深い闇へと誘い込む。京極夏彦が描く、戦慄の本格ミステリーがここに開幕だ。