田亀源五郎
大正十年、未曽有のパンデミックがようやく終息した時代。小説家・松永春光は、愛する書生を亡くし、もう誰も愛すまいと心に決めていた。そんな彼が出会ったのは、画家の一柳翠帳。二人は甘味をきっかけに意気投合し、激動の時代の中で互いに惹かれあっていく。男は男らしくあるべきとされた時代に、運命的に出会ってしまった二人の男の恋の行方は。大震災や戦火の足音が迫る中、彼らの愛はどのような道を辿るのか。繊細な筆致で描かれる、心揺さぶる大正ロマンスだ。