日高ショーコ
明治時代、若き子爵・久世暁人は父の死後わずか10歳で当主となる。彼の教育係を務めるのは、怜悧な美貌の家令・桂木智之だ。幼い頃から桂木に憧れを抱く暁人だが、桂木はなぜか彼に冷たい態度を取り続ける。久世家への忠誠心から、時に非情な手段も厭わない桂木。そんな桂木の真意を探ろうと、暁人はひたむきに彼を追いかける。すれ違いながらも惹かれ合う二人の関係は、華族社会のしがらみや跡継ぎ問題に翻弄されながらも、次第に変化していく。緻密な時代背景と繊細な心理描写で紡がれる、壮大な愛の物語だ。