山本直樹
「この不浄なイナカを抜け出し誰も知らない東京めざして走ろう」高校の屋上で出会った灰野と九谷。退屈な日常から逃れるように、二人は「ブルー」と呼ばれる謎の薬を飲み、快楽に溺れていく。閉塞感漂う地方都市の片隅で、彼らはただひたすら体を重ねる。それは現実からの逃避か、それとも刹那的な愛の形か。曖昧な関係を続ける中で、灰野は九谷への特別な感情を抱き始めるが、彼女の心は掴めない。不安定で危うい青春の光と影を描き出す、山本直樹が贈る伝説の短編集だ。