宮崎信二
太平洋戦争末期の昭和20年2月、戦火迫る上海へ父を訪ねてやってきた佐倉遥華。そこで彼女が目にしたのは、混沌とした裏社会と、謎多き男・縄井綾人だった。遥華と許婚者の塚瀬肇は、現地で起こる凄惨な事件に巻き込まれ、やがて金塊を巡る陰謀や、日本軍部と対立する父の思惑に翻弄されていく。戦後の東京へと舞台を移し、中国系マフィアとの抗争に巻き込まれる塚瀬の姿も描かれる。激動の時代を駆け抜ける人々の、はかなくも力強い生き様を描いた骨太な人間ドラマだ。