河納 沙也子
明治37年、京都。画家の卵である小野英吉は才能の壁にぶつかり自信を失っていた。そんなある日、彼は川で溺れる男を助ける。その男、土田金二は「水の流れを見たくて」自ら川に飛び込んだという奇人だった。命すら惜しまぬ芸術への情熱を持つ土田との出会いは、小野の内に眠っていた画家としての魂を覚醒させる。実在した二人の日本画家、土田麦僊と小野竹喬が、旧態依然とした日本画の世界を打ち破り、新たな時代を切り開く壮大な大河ロマンだ。彼らの熱き挑戦に胸が躍る芸術譚である。