永美 太郎
戦後まもない日本。映画スタジオの熱気が渦巻く時代に、脚本家になるつもりなどなかった夏美が足を踏み入れる。そこで彼女が出会ったのは、次期監督を名乗る軽薄な青年・根川一だった。京宝映画を「赤色分子」から守り、新しい映画を作ろうと意気込む根川に、夏美は共に戦う仲間として手を差し伸べられるのだ。脚本家と監督として、二人は日本映画黄金期を駆け抜けることになる。創作と生活の狭間で、情熱と悔恨が交錯する嵐のような日々が始まる。薄墨で描かれる光と影が美しい、映画への夢を追いかける人々の青春群像劇だ。