安彦良和
大正時代、日本が「シベリア出兵」という道を選んだ激動の時代。ロシアの戦場に、帝国陸軍の腕利き砲兵・乾と、気鋭の新聞記者・巽がいた。正反対の立場ながら、二人は戦場で運命的に出会い、それぞれの視点から戦争の真実と向き合うことになる。乾は日本軍が支援する反革命軍の非道な行いに疑問を抱き、自らの正義を問い始める。一方、巽は報道の自由が奪われ、真実がねじ曲げられていく現実に憤りを感じる。大国の思惑が交錯する戦場で、小さき者たちが懸命に生き抜く姿を描く、骨太で熱い歴史戦記だ。