中山昌亮
いつもの帰り道、ふと視線を感じた先にいたのは…? 日常のささいな隙間から、じわりと忍び寄る異形の存在たち。中山昌亮が描く『不安の種』は、そんな「もしかしたら」を形にしたオムニバスホラーだ。何気ない風景に潜む不気味な影、理解不能な怪異が次々と人々を襲う。特定の主人公がいるわけではなく、様々な人物が遭遇する理不尽な恐怖が淡々と描かれる。読後も心に残り続ける、まさに「不安の種」を植え付けられるような、じっとりとした怖さが魅力の作品だ。