高尾 滋
毎週金曜日の放後、曙橋の喫茶室「白鳳堂」には、いつも同じ席で誰かを待つ男子学生・金蓉の姿がある。彼の元にはいつしか、悩みを抱えた人々が相談に訪れるようになった。金蓉は彼らの問題を鮮やかに解決していくのだ。しかし彼が金曜日に喫茶室で待ち続ける理由、それは幼馴染の英国人・クロードとの再会である。金蓉の出生の秘密や、クロードへの秘めた想いが交錯し、物語は深まっていく。昭和初期のレトロな東京を舞台に、人々の心模様を繊細に描く、どこか切なくも温かいヒューマンドラマだ。