岡本螢
小学5年生の岡島タエ子は、昭和40年代の東京で暮らす普通の女の子だ。毎日が発見と小さな悩みに満ちている。学校での友達とのささいな出来事、家族との食卓での会話、そして初めて感じる淡い恋心。算数の分数の割り算に頭を悩ませたり、流行の歌を口ずさんだり、時には大人たちの言動に疑問を抱いたりする。そんなタエ子の等身大の日常が、温かい眼差しで丁寧に描かれている。過ぎ去りしあの頃の、誰もが経験したであろう懐かしい「おもひで」が、心にじんわりと染み渡る珠玉の作品だ。