伊藤潤二
海と山に囲まれた静かな町、黒渦町。女子高生の五島桐絵は、恋人の斎藤秀一から彼の父親が「うずまき」に異常な執着を見せ始めたと聞かされる。やがて町全体がうずまきの呪いに蝕まれ始めるのだ。人々の身体はねじれ、髪は渦巻き、ついにはカタツムリに変貌する者まで現れる。火葬場の煙は渦を巻き、台風さえも意思を持つかのように町を襲う。日常が少しずつ歪んでいく恐怖。脱出を試みる桐絵と秀一だが、町は彼らを決して逃がさない。伊藤潤二が描く、美しくも悍ましい螺旋の悪夢が読者を深淵へと誘う。