林史也
国語教師の武田と花屋で働く有田。高校の同級生だった二人は卒業以来会うこともなかったが、ひょんな再会をきっかけに男二人の同居生活を始めることになった。友人とも恋人とも家族とも違う、その関係に「名札」は必要なのか。社会の常識や周囲の視線に戸惑い悩む有田と、どこか飄々とした武田。曖昧な関係を模索しながら日々を綴る彼らの日常は、時に穏やかに、時に切なく、読者の心にじんわりと染み渡る。言葉にならない感情を肯定してくれる、繊細な人間ドラマだ。