加藤和恵/小野不由美
古民家の奥座敷の襖が勝手に開く。引っ越したばかりの家で、見知らぬ老人の姿を見る。雨の日に鈴の音が鳴り響き、黒い和服の女が佇む。住居にまつわる奇妙な出来事、それは「怪異」の始まりだ。そんな家の「疵(きず)」を直すのが、営繕屋「かるかや」の尾端。彼は霊感を持たず、怪異を祓うのではなく、その家に宿る人々の思いや、置き去りにされた気配に耳を傾ける。そして、家と怪異、そして住む人々の間に、そっと折り合いをつけるのだ。怖さの中に哀愁と温かさが漂う、新感覚の怪異譚を体験せよ。