田澤裕
最愛の母を亡くし、小説が書けなくなった小説家・清。深い喪失感を抱え街を彷徨う彼の前に、ある日、見知らぬおばあさんが現れる。なぜか清を息子と信じて疑わないおばあさんに、清は流されるまま家に招き入れられてしまう。しかし、その家にはおばあさんの娘と孫娘も暮らしており、驚くべきことに彼女たちもまた「にせもの」の家族だったのだ。血の繋がりはないけれど、互いを思いやり、優しさに満ちた奇妙な共同生活が始まる。優しい嘘と本当の気持ちが織りなす、心温まる家族の物語だ。